世界的プロダクトデザイナーの思考に迫る―AMBIENT 深澤直人がデザインする生活の周囲展

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花火特集2017

世界的プロダクトデザイナー、深澤直人の国内初となる個展が、7月8日(土)より開催されます。家具や電化製品から腕時計や筆記具まで、選りすぐりの作品を集めた本展。「生活の周囲」というテーマにふさわしく、展示室を居住空間に見立てることで、深澤の思考を視覚化する試みに注目です。

深澤直人とは

1956年山梨県生まれ。多摩美術大学でプロダクトデザインを修めた深澤は、ALESSI、ARTEMIDE、B&B ITALIA、BOFFI、DANSE、MAGIS、BELUX、LAMY、THONET、HARMAN MILLERなど、世界を代表するブランドのデザインを手がけています。国内においてはパナソニックや無印良品、マルニ木工などのデザインやコンサルティングを数多く手がける深澤。電子精密機器から、家具、インテリアにいたるまで、その分野は多岐にわたります。

Ambient

本展のタイトルでもある「Ambient」。直訳すると「環境」ですが、深澤はこの言葉を「周囲」や「雰囲気」と捉えています。
環境からものの輪郭を導きだすのが、深澤のデザイン手法。それはつまり、その環境が求めるもの、そこにあるべきものを生み出す作業です。
そのようにして生み出されたものがその場に投じられることによって、ものと空間が相互に作用して、「いい雰囲気が」が醸し出される。本展では、そんな「いい雰囲気」を醸し出すことを実践しています。実際の居住空間に見立てた展示室で深澤の思考を立体的に感じ、生活の空気、すなわちAmbientを体感できる展覧会なんですね。

モディファイ スフィア
2009年、パナソニック 汐留ミュージアム 蔵

《モディファイ スフィア》パナソニック株式会社、2009年、パナソニック 汐留ミュージアム 蔵

シンプルで美しい完全な「光の球」を目指した照明器具。それまでも球体の照明器具は存在していましたが、全体が均一に光るものはありませんでした。

加湿器
±0、2004年、NAOTO FUKASAWA DESIGN 蔵

《加湿器》±0、2004年、NAOTO FUKASAWA DESIGN蔵

使用していないときでも「潤い」を感じさせる置物としてデザインされた加湿器。

HIROSHIMA アームチェア
マルニ木工、2008年、株式会社マルニ木工 蔵

《HIROSHIMA アームチェア》マルニ木工、2008年、株式会社マルニ木工 蔵

世代を越えて使い続けることができ、世界に誇れるようにと考え抜かれたアームチェア。フォルムの美しさとすわり心地の良さを追求し、シンプルでありながら細部まで突き詰めたデザインです。

Without Thought

人間の無意識下の行動の中に、デザインのきっかけがあることを見いだした深澤。「Without Thought(思わず)」という言葉を冠したデザインワークショップを毎年開催し、発表を続けています。

Cha クリーマー
ALESSI、2015年、アレッシィショップ青山 蔵

《Cha クリーマー》ALESSI、2015年、アレッシィショップ青山 蔵

流線型が美しいクリーマー。ステンレス製のミラー仕上げでありながら有機的な形状は人の営みにしっくりと馴染み、憩いの空間と時間を提供してくれます。

AWA
B&B ITALIA、2009年、NAOTO FUKASAWA DESIGN 蔵

《AWA》B&B ITALIA、2009年、NAOTO FUKASAWA DESIGN 蔵

クリスタルプラントという人造大理石製のテーブル。成型しやすく、ふんわりと柔らかな陰影を作ることが得意なこの素材で、深澤は曲面を持ち有機的な彫刻のようなテーブルをデザインしました。


行為に相即するデザイン

「知っているのに気づかずにいること」、すなわち行為に溶けこんだデザインを探し、心がけてきた深澤。そのデザイン哲学を「行為に相即するデザイン」、「意識の中心」、「ふつう」、「輪郭」、「典型」などといった言葉で表わすとともに、デザインを具体化しつづけています。

NOTO
LAMY、2008年、NAOTO FUKASAWA DESIGN 蔵

《NOTO》LAMY、2008年、NAOTO FUKASAWA DESIGN 蔵

角が丸い三角の軸は、持ちやすく自然と手になじみます。そして、手帳などに挿しやすい、軸に切り込みを入れたようなクリップ。三角おにぎりのようなやさしい三角形が頭にあり、それを実現しようとしたのだとか。

アウトライン

アウトラインとは「もの」の輪郭。「もの」はそれを囲んでいる空気のなかに存在しているので、空気のなかで穴を形づくるものがアウトラインである、とも考えられます。穴の周囲にある空気は、人の経験や習慣、技術や歴史といった多くの要素で構成されているわけですね。
人々が共有するアウトラインを見つけだし、ぴったりとはまる輪郭を持つものをデザインすること。それが、自分の役割だと深澤は考えています。

ISSEY MIYAKE TWELVE NYOP001
セイコーウォッチ株式会社、2015年、セイコーウォッチ株式会社 蔵

《ISSEY MIYAKE TWELVE NY0P001》
セイコーウオッチ株式会社、2015年、セイコーウオッチ株式会社 蔵

文字盤の目盛りをなくし、12角形のガラスをはめこんだシンプルな時計。人が物体の辺や角を無意識に計測の基準することを応用したデザインといえるでしょう。

展覧会詳細

名称:AMBIENT 深澤直人がデザインする生活の周囲展
会場:パナソニック 汐留ミュージアム
会期:2017年7月8日(土)~10月1日(日)
休館日:水曜日、8月14日(月)~16日(水)
入館料:一般:1000円、65歳以上:900円、大学生:700円、中・高校生:500円 小学生以下無料
所在地:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
電話:03-5777-8600(NTTハローダイヤル)
公式サイト:https://panasonic.co.jp/es/museum/

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