知られざる画家オットー・ネーベル、日本初の回顧展開催へ!

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紅葉特集2017

スイスやドイツで活動した画家、オットー・ネーベルの日本初の回顧展が、2017年10月Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されます。シャガールやカンディンスキー、クレーの影響を色濃く受け、音楽や建築にも造詣の深かった「知られざる画家」、オットー・ネーベルとはいかなる人物だったのか。バラエティ豊かな作品が集められた本回顧展で、彼の創作活動の軌跡を追います。

オットー・ネーベルとは

ネーベルの肖像写真 1937年 (オットー・ネーベル財団提供)

ドイツのベルリンに生を受けたオットー・ネーベル(1892~1973)は、ドイツ、そしてスイスで活動した画家であり、版画家、詩人としての顔を併せ持つ多才な人物でした。
元々は建築を学んでいたネーベルは、都市の建築物の輪郭を立方体や結晶体の形にあてはめ、色彩のコントラストによって捉える試みから、一連の都市の建築シリーズを制作。また、敬愛するカンディンスキーに倣って音楽を感じさせる絵画を描くなど、マルチな才能を発揮しました。彼の関心は、ほかにも演劇や詩作など、多岐にわたります。
多くの出会いによって関心の幅を拡げ、作風をさまざまに変化させ、ジャンルを超えた創作活動をおこなったネーベル。今回の回顧展では、ベルンのオットー・ネーベル財団の全面的な協力を得て、活動初期から晩年までのバラエティ豊かな作品が集められています。

展覧会のみどころ

オットー・ネーベル 《避難民》1935年、不透明水彩、インク・紙、オットー・ネーベル財団

油彩、水彩、版画、コラージュなど、技法も画風も多岐にわたる作品を制作したオットー・ネーベル。建築的な視点で画面を構築したり、音楽を感じさせる絵画を目指したりといった、実験的な試みにも挑戦しています。そんなバラエティ豊かな作品が一堂に会し、ネーベルの創作活動を俯瞰できるのが、この回顧展です。

さまざまな作品を生みだしたネーベルの創作活動は、同時代の画家たちから多大な影響を受けています。そんな画家たちとの関係性を踏まえて作品を鑑賞できるのも、本回顧展の魅力のひとつでしょう。

きっかけの画家、フランツ・マルク

フランツ・マルクは、大胆なタッチと非現実的な鮮やかな色彩で動物を描いて人気を博した画家でしたが、36歳の若さで戦死を遂げます。そのマルクに捧げられた展覧会を見たことがきっかけとなって、ネーベルは画家の道に進みました。

マルク・シャガールへのあこがれ

オットー・ネーベル 《アスコーナ・ロンコ》1927年、水彩、グアッシュ・紙、ベルン美術館

ドイツ表現主義運動を代表する雑誌・画廊である「デア・シュトルム」の活動を通じ、シャガールの作品と親しんだネーベル。ネーベルの初期の作品には、シャガール作品に見られる幻想的なモチーフや鮮やかな色彩の影響が色濃く感じられます。

クレー、カンディンスキーとの出会い

オットー・ネーベル 《ドッピオ・モヴィメント(二倍の速さで)》1936年、ラッカー塗料・紙、オットー・ネーベル財団

1924年、ネーベルはバウハウス・ワイマール校でパウル・クレーやワシリー・カンディンスキーと出会い、生涯の友情を得るとともに、彼らの作品から多大なインスピレーションを受けました。

オットー・ネーベル 《コン・テネレッツァ(優しく)》1939年、テンペラ・紙、オットー・ネーベル財団

カンディンスキーの影響を受けたネーベルは、のちに音楽を感じさせる作品を制作。自らをオーケストラの指揮者になぞらえ、音楽用語をタイトルにもちいた作品を描きました。

クレーとネーベルはともにスイスのベルンに移住し、ふたりの交流はクレーが亡くなるまで続いたといいます。

オットー・ネーベル 《明るい黄色の出来事》1937年、油彩・キャンヴァス、オットー・ネーベル財団

また、ネーベルの友人であり、よき理解者でもあったカンディンスキーは、ニューヨークのグッケンハイム財団にネーベルの作品を購入するように働きかけて、彼の芸術活動を支援しました。

20世紀芸術の流れのなかで

この回顧展では、マルク・シャガールやワシリー・カンディンスキー、パウル・クレーなど、ネーベルに影響を与えた同時代の画家たちの作品も紹介されています。
幻想的なシャガール、線、色、形を自由に変化させていくクレー、リズムや旋律を感じさせるカンディンスキーなど、20世紀を代表する色彩画家たちの作品と、新たに光を浴びはじめたオットー・ネーベルの多彩な作品の数々。20世紀美術の流れと併せてネーベルの創作活動の軌跡をたどることができる、またとない機会です。


記念講演会、サロン・コンサートでより深く

オットー・ネーベルをより深く知るための講演会と、ネーベル作品を音で表現したサロン・コンサートも開催されますので、足を運んでみてはいかがでしょう。それぞれ事前の申し込みが必要です。

記念講演会「イタリアで試みた色彩の冒険」(通訳付き)

日時:2017年10月8日(日)18:30~20:30(予定)
講師:テレーズ・バッタチャルヤ=シュテットラー(本回顧展監修者/オットー・ネーベル財団理事長)
場所:Bunkamura ザ・ミュージアム展示室内
定員:60名(事前申込)
参加費:無料(入場券を提示・半券可)
申し込み方法:2017年8月頃に公式サイトにて案内予定

関連講演会「ワイマールのバウハウスとその周辺―バウハウスで出逢った芸術家たち」

日時:2017年11月19日(日)18:30~20:30(予定)
講師:杣田佳穂(ミサワ バウハウス コレクション学芸員)
場所:Bunkamura ザ・ミュージアム展示室内
定員:60名(事前申込)
参加費:無料(入場券を提示・半券可)
申し込み方法:2017年8月頃に公式サイトにて案内予定

サロン・コンサート「響き合う色と形」

日時:2017年11月5日(日)19:00開演(18:45より開場)
演奏者:林正樹(ピアニスト)
場所:Bunkamura ザ・ミュージアム展示室内
定員:60名
料金:2,500円(税込)
※全席自由、イベント時間のみ利用できます
申し込み方法:オンラインチケット MY Bunkamuraにて9月上旬頃販売開始予定

イベント詳細
名称:オットー・ネーベル展 シャガール、カンディンスキー、クレーの時代
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
所在地:東京都渋谷区道玄坂2-24-1
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
会期:2017年10月7日(土)~12月17日(日)
※10月17日(火)、11月14日(火)のみ休館
公式サイト:http://www.bunkamura.co.jp/museum/

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