古今東西の珠玉の名品80品が集合!「ボストン美術館の至宝展」が7月20日から開催

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東京・上野にある東京都美術館で、「ボストン美術館の至宝展ー東西の名品、珠玉のコレクション」が、2017年7月20日(木)~10月9日(月・祝)まで開催。ゴッホの傑作・ルーラン夫妻の肖像画2点を筆頭に、古代エジプト、日本美術、中国美術、フランス絵画、現代美術など、選りすぐりの作品80点が来日します。アートファンは必見ですよ。

ボストン美術館とは?

ボストン美術館は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン市にある美術館です。地元市民の熱意と、さまざまなコレクターの作品寄贈によって、1870年に設立されました。アメリカ独立100周年にあたる1876年に開館し、国や州の財政的援助を受けずにコレクションの拡充や施設の拡張を続け、2020年に設立150周年を迎えようとしている現在は、世界有数となる約50万点の作品を所蔵しており、世界有数の規模を誇っています。

展覧会の見どころ

「ボストン美術館の至宝展」では、古代エジプト、日本美術、中国美術、フランス絵画、現代美術など同館の幅広いコレクションから厳選された珠玉の80点が紹介されます。ボストン美術館のコレクションによる展覧会は、これまでも繰り返し開催されてきましたが、幅広い内容を総合的に楽しめる展覧会は、日本で実に約40年ぶり。さらに今回は、世界有数となる約50万点のコレクションの形成に寄与したコレクターやスポンサーの活動にも光を当てていきます。

ボストン美術館が誇る傑作80点が集結。

本展では、ボストン美術館が誇る傑作80点が大集結。古代エジプト美術、中国美術、日本美術、フランス絵画、アメリカ絵画、版画・写真、現代美術と、古今東西の名品が一堂に集う、またとない機会です。

日本初!ファン・ゴッホの傑作、ルーラン夫妻の肖像画を2点同時に展示!

注目は、ファン・ゴッホの傑作と名高い「郵便配達人ジョゼフ・ルーラン」 と「子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人」。パリを離れ南仏アルルに移り住んだゴッホにとって、ジョゼフ・ルーランはモデルとなってくれる数少ない相手でした。2点同時に展示されるのは日本で初めての試みなので、見逃せませんね。

英一蝶(はなぶさいっちょう)の巨大涅槃図、約170年ぶりの修理を経て初の里帰り!

ボストン美術館で約170年ぶりに修理が行われた英一蝶(はなぶさいっちょう)の仏画の代表作「涅槃図」が、本展で初めての里帰りを果たします。海を渡ってから、その作品を実際に見た人はごくわずか。江戸時代の人々が祈り、想いを馳せた、一蝶による幻の巨大涅槃図は必見です。

世界屈指のコレクションに隠れたコレクターたちの物語をたどる!

ボストン美術館は、世界有数の規模と知名度を誇る美術館ですが、世界中の多くの美術館とは異なり、公的な財政的援助を受けていません。ボストン美術館のコレクションは、ボストンとニューイングランド地方の市民の慈善活動によって支えられてきました。今回の展覧会では、美術品だけでなく、コレクションの形成に関わった人々にも焦点が当てられます。いつ、どのように、何が収集家たちを駆り立てたのか、そのストーリーを辿りましょう。

各セクションの見どころと注目作品を紹介!

1章 古代エジプト美術

三大ピラミッドが建つギザで発掘された王の頭部や、墓からのレリーフ、ヌビアの王の立像、ジュエリーなど、ボストン美術館とハーバード大学による共同発掘調査の成果を中心に展示されます。

ツタンカーメン王頭部

《ツタンカーメン王頭部》エジプト、新王国時代、第18王朝、ツタンカーメン王治世時、紀元前1336-1327年
Museum purchase with funds donated by Miss Mary S. Ames,11.1533 Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston

この名前のない王頭部は、第18王朝の若き王として知られるツタンカーメンと考えられています。王はネメス頭巾をかぶり、額にある縦の溝にはウラエウス(蛇形記章)あったとのではないかと推測されており、頭巾の上には、上下エジプト統一の象徴である二重冠の赤冠の一部が残っています。加えて、アーモンド型の眼、官能的な唇と、その魅力的な顔立ちは、1922年に「王家の谷」で発見された黄金のマスクと酷似していることが指摘されています。

2章 中国美術

約9千点からなるボストン美術館の中国美術コレクション。その内容は、絵画、陶磁器、彫像、装飾品など多岐にわたります。今回は、その中から、ボストン美術館が誇る北宋・南宋絵画の名品を厳選して紹介します。

九龍図巻(作者:陳容)

陳容《九龍図巻》(部分)南宋、1244年(淳祐4年)
Francis Gardner Curtis Fund, 17.1697 Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston

約10mに及ぶ長大な画面に描かれた九匹の龍。沸き立つ雲と荒れ狂う波の中、あるいは悠然と飛翔し、あるいは佇むさまが粗放な筆墨で描き出されています。作者の陳容は南宋末期に活躍した画家で、龍図を得意としたことで知られており、特に、本図は、かつて清朝の乾隆帝も旧蔵した龍図の名品です。

3章 日本美術

ボストン美術館の約10万点に及ぶ日本美術コレクションの形成には、モースやフェノロサ、ビゲローら、日本を愛したコレクターたちが大きく貢献したことで知られています。初めて里帰りを果たす作品も含め、江戸美術の優品が集結します。

風仙図屏風(曾我蕭白)

曾我蕭白《風仙図屏風》江戸時代、1764年(宝暦14年/明和元年)頃 
Fenollosa-Weld Collection, 11.4510 Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston

勢いよく渦を巻き、強風を呼び起こす黒雲は、まるで龍の存在を示唆するかのようです。荒れ狂う波濤、揺れ動く木々のなか、剣を持つ男が橋を挟んで黒雲に対峙しており、緊張感ある攻防の後方には、風に吹き飛ばされた滑稽な表情の男たちが描かれています。さらに、その後ろには白と黒の兎のつがいがひっそりと姿を見せています。墨の濃淡、線と面、緊張と弛緩、大胆さとユーモアを巧みに織り交ぜた、蕭白の代表的作品です。

三味線を弾く美人図(喜多川歌麿 )

喜多川歌麿 《三味線を弾く美人図》江戸時代、1804-06年(文化1- 3年)頃
Fenollosa-Weld Collection, 11.4642 Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston

繊細で優麗な描線を特徴とし、様々な姿態、表情の女性美を追求した美人画の大家・喜多川歌麿。本作は、晩年に手掛けられた作品で、集大成とも言える傑作です。横長の軸にモデルは上半身のみという珍しい構図になっています。

涅槃図(英一蝶)

英一蝶《涅槃図》(写真は修理前)江戸時代、1713年(正徳3年)
Fenollosa-Weld Collection, 11.4221 Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston

英一蝶(はなぶさいっちょう)は、江戸に生きる人々の風俗画を得意とした一方で、仏画も多く手がけたことで知られる画家です。同展で公開される「涅槃図」は、一蝶による仏画の大作であり、江戸時代の仏画の代表作。画面だけでも高さ約2.9m、幅約1.7m、表具を含めれば高さ約4.8m、幅約2.3mにも及びます。画面いっぱいに、涅槃に入る釈迦と悲しみにくれる菩薩、羅漢、動物たちを鮮やかな色彩で描いており、一蝶の力の入りようが伝わる傑作です。
本図は、1886年以前にフェノロサが購入して以来、ボストン美術館で収蔵されてきましたが、作品の大きさと経年による劣化ゆえ、同館でも25年以上にわたり公開が実現できませんでした。そのため、本展での公開に際して、画面の折れや亀裂、汚れ、糊離れなどを改善するため、約170年ぶりに本格的な解体修理を実施。初めて里帰りを果たします。

4章 フランス美術

所蔵するヨーロッパ美術コレクションの中から、世界的に名高い19世紀フランス絵画のコレクションを紹介。バルビゾン派、印象派、ポスト印象派の絵画には、ボストン市民の好みを色濃く反映されています。

睡蓮(クロード・モネ)

印象派を代表する画家モネは、1890年代から「積みわら」や「ルーアン大聖堂」、そして代表作でもある「睡蓮」などの連作を開始し、同じ主題を繰り返し描きながら、天候や時間帯によって様々な表情をみせる対象を捉えていきました。
本展で展示される「睡蓮」では、水平線はなく、モネの視線は水面に集中しています。それにもかかわらず、画面の下から上へと遠ざかるように奥行きを感じさせる睡蓮や、水面に映る空と岸辺の木々が、絵画の外に広がる無限の空間が想像させてくれます。
なお、こちらの作品は、1909年にパリで開催された48点の「睡蓮」による「睡蓮――水の風景」展で発表されたもので、ただちにボストンのコレクターに購入されました。

卓上の果物と水差し(ポール・セザンヌ )

ポール・セザンヌ《卓上の果物と水差し》1890–94年頃 
Bequest of John T. Spaulding, 48.524 Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston

キュビスムをはじめとする20世紀の美術に多大な影響を与えた「近代絵画の父」、ポール・セザンヌ。セザンヌは「静物画のモチーフは果物が良い」として、リンゴを好んで描いたという逸話が残っています。卓上の皿に盛られたリンゴなどの果物はもちろん、水差し、テーブルクロスの柄までもが計算しつくされ、絶妙なバランスを保っています。

腕を組んだバレエの踊り子(エドガー・ドガ )

エドガー・ドガ《腕を組んだバレエの踊り子》1872年頃
Bequest of John T. Spaulding, 48.534 Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston

フランスの印象派画家・ドガは、踊り子を扱った作品を数多く残していることで知られる「踊り子の画家」。踊り子とは、パリオペラ座のバレリーナを指す言葉で、オペラ座の定期会員になると舞台裏に入ることが許されました。裕福な銀行家の息子だったドガは、定期会員となり舞台裏にも出入りしており、目撃した踊り子の自然のしぐさ、表情を丹念に描きました。
本作は、目を閉じて腕を組む踊り子を描いた作品で、背景は燃えるような赤い色をしています。何か物思いに耽っているような踊り子の憂いの帯びた表情にも注目してください。

郵便配達人ジョゼフ・ルーラン(ファン・ゴッホ)

フィンセント・ファン・ゴッホ《郵便配達人ジョゼフ・ルーラン》1888年
Gift of Robert Treat Paine, 2nd, 35.1982 Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston

ファン・ゴッホ(1853~1890)が描いた、ジョゼフ・ルーランをモデルにした油彩画は全部で6点です。本作は、最初に描かれたもので、ほぼ全身を描いた唯一の作品して知られています。ファン・ゴッホがソクラテスにたとえた立派なあごひげをもつ頭部だけでなく、魅力的な手の動きも力強く丹念に表現されています。また、青を基調とした画面に、制服の装飾やボタンの黄色が効果的に配されているのも特徴です。

子守唄、ゆりかごを揺らす オーギュスティーヌ・ルーラン夫人(ファン・ゴッホ)

フィンセント・ファン・ゴッホ《子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人》1889年
Bequest of John T. Spaulding, 48.548 Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston

組み合わせた手にゆりかごの紐を持つジョゼフの妻。「子守唄」という副題が付けられることや、「ルーラン夫人の肖像」もしくは「子守するルーラン夫人」とも表記されることがあります。
ゴッホの入院により一時中断したこちらの作品。制作の再開を伝えるファン・ゴッホの手紙には、「絵画を制作することは、傷ついた心を慰めるものだ」と綴られています。どことなく母性を感じさせる作品で、「人の慰めとなる芸術」を目指した画家の意が反映されているとも言われています。なお、画家自身によって4点の同じ構図の油彩画が制作されています。

5章 アメリカ絵画

ボストン美術館の天井画も手掛けたサージェントの作品やアメリカ印象派の絵画など、18世紀から20世紀半ばまでの作品によって、アメリカ絵画コレクションの一端を紹介します。

ロベール・ド・セヴリュー(ジョン・シンガー・サージェント)

ジョン・シンガー・サージェント《ロベール・ド・セヴリュー》1879年
The Hayden Collection - Charles Henry Hayden Fund, 22.372 Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston

ジョン・シンガー・サージェントは、19世紀後半から20世紀前半にかけてイギリスで活躍したアメリカ人の画家です。イタリアに生まれフランスで美術教育を受けており、様々な国の絵画の影響を受け、独自の優美な画風を生み出しました。また、伝統的な古典技法によって多数の肖像画を手掛け、「最後の肖像画家」とも言われています。
「ロベール・ド・セヴリュー」は、上流階級の子供と小型犬を描いたサージェントの代表作です。その洗練された技巧に圧倒されますよ。

6章 版画

19世紀半ばから20世紀のアメリカを描いた充実した収集作品の中から、アメリカを代表する芸術家・ホーマー、ホッパー、シーラー、アダムス4人を紹介。人々の暮らしや自然の美しさを映す版画と写真が並びます。

機関車(エドワード・ホッパー)

1920年代以降のアメリカン・シーンを描いたホッパーは、油彩画が広く知られていますが、秀でた版画家でもありました。特にアーティストとしての活動の初期に多くの版画を手掛けており、「機関車」も、その時期の作品です。機関車の存在感が際立つ構図、その先に広がるトンネルの闇と周囲との明暗のコントラストに、その後の作品に共通する特徴を見ることができます。

7章 現代美術

同時代のアーティストの作品に常に着目してきた美術館において、成長著しい現代美術コレクションからウォーホル、村上隆をはじめ、ホックニーの色鮮やかな風景画、テイラー=ジョンソンの映像作品などを紹介します。

ジャッキー(アンディ・ウォーホル)

ウォーホルは、1960年代にスープの缶詰や著名人の写真を素材にした作品を発表し、その後のポップ・アートの隆盛を牽引したアーティスト。1963年に起きたケネディ大統領の暗殺事件後には、広く配信された大統領夫人ジャクリーンの写真をもとに複数の肖像画を制作。また、それらを組み合わせ作品として発表しました。そこには事件前の笑顔のジャクリーンや葬儀の際に深い悲しみに暮れる彼女の姿が繰り返し登場しました。

さらに、期間中は、タイアップイベントやスペシャルコンテンツが登場予定です。詳細は公式サイトにて随時発表となりますので、ぜひチェックしてくださいね。

イベント詳細
名称:ボストン美術館の至宝展ー東西の名品、珠玉のコレクション
会場:東京都美術館 企画展示室
住所:東京都台東区上野公園8−36
会期:2017年7月20日(木)~10月9日(月・祝)
開催時間:9:30~17:30 
※金曜は20:00まで、7月21日、28日、8月4日、11日、18日、25日は21:00まで 
※入室は閉室の30分前まで 
休室日:月曜日、9月19日(火) ※ただし、8月14日(月)、9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開室
料金:一般 1,600円(1,400円)、大学生・専門学校生 1,300円(1,100円)、高校生 800円(600円)、65歳以上 1,000円(800円)
公式サイト:http://boston2017-18.jp/

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