国立新美術館で開催中「ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」見どころレポート!

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2016年7月13日(水)から10月10日(月・祝)まで、六本木の国立新美術館にて「ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」が開催されます。高さ4メートル烹もなる大作「受胎告知」をはじめ、ルネサンス期の厳選された約60点の作品を見られる貴重な展覧会です。asoview!編集部が見どころをレポートします!

「ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」展とは

日本とイタリアの国交樹立150周年を契機として開催される「ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」。イタリア・アカデミア美術館に収蔵されている約2,000点もの絵画の中から、選りすぐりった60点の絵画を展示しています。ルネサンス期のヴェネツィア絵画がテーマ。今まで国内でルネサンス期に焦点を絞った展覧会はほとんどなく、各方面から注目を集めています。ルネサンス期最大の巨匠、ティツィアーノが晩年に手がけた祭壇画「受胎告知」は必見です!

まずは音声ガイドを借りよう!

音声ガイドは550円。せっかくなので借りることをオススメします。音声ガイドをつとめるのは、俳優の石坂浩二さん。この展覧会のために実際にヴェネツィアを訪れたそうです。作品の見所・テーマだけでなく、解説の中には彼の体験も含まれていて、聴き応えじゅうぶん!ボーナス解説として、ヴェネツィア紀行の動画も音声ガイドで見られます。

さらに、音声ガイド内で使用されているのはピアニスト・辻井伸行さんの「ヴェネツィアの輝き」。なんとこの展覧会のために作曲されたオリジナル曲なのだとか。音声ガイド内でこの曲をフルで聴くこともできます。

入口はドームのようになっています。これからの展示へのワクワク感が高まります!

1 ルネサンスの黎明

ルネサンス美術は、1440年ごろからヴェネツィアではじまりました。ここではまだルネサンス初期とも言える、15世紀の画家たちの作品を展示しています。

入口を入ってすぐに迎えてくれるこの作品。ジョヴァンニ・ベッリーニの「聖母子」です。ベッリーニはヴェネツィアの初期ルネサンスを代表する最大の画家で、詩的な聖母子像を多く書いています。これはその代表的な作例のひとつです。

色彩豊かな宗教画が並びます。特に、聖母を描いた作品が多数展示されています。

2 黄金時代の幕開け

ジョルジョーネとティツィアーノという2人の若い画家により、美術界に革命がもたらされます。色彩表現の豊かさに加え、光と影の効果や色彩の調和などに対する素晴らしい感覚が、ルネサンスの黄金期ともいえる時期をつくりだしました。

2章の作品を見ながら進んでいくと現れる、薄暗い空間。この中に今回の目玉となる作品がありました。ティツィアーノが70歳を超えてから描いた「受胎告知」です。その大きさは4メートルを超え、見るものを圧倒します。

この作品はサン・サルヴァドール聖堂の祭壇のひとつを飾っている作品です。薄暗い空間の中にあり、だんだんぼんやりと色彩が見えてきて、絵が浮かび上がってくるような感覚も覚えます。描かれているのは、キリストが人の子イエスとしてマリアに宿る「受胎告知」の場面。芸術的なうつくしさにとどまることなく、キリスト教の伝統や祈りが込められています。

作品の右下にラテン語で「神の炎は燃え上がるけれども、肉体を消耗させない(直訳)」と書かれています。このような美に接することで、「自らが神の子であるという炎が燃え上がる」ことを望む、という意図が込められているのだそうです。

3 三人の巨匠たち

この章では、この時代に活躍したヤコポ・ティントレット/パオロ・ヴェロネーゼ/ヤコポ・バッサーノ、これら三人の巨匠たちの大作を中心に紹介しています。

作家それぞれに特徴をがあるので、見比べながら見ていくと違いがわかって面白いです。ヴェネツィア・ルネサンス期の絵画では背景にもかなりのこだわりを持って描かれているので、主題のみならず背景にも注目してみることをおすすめします。

編集部員が気になったのは、ヤコポ・ティントレット作の「聖母被昇天」(写真右)。劇的な光、華やかな色彩が印象的です。聖母が亡くなって3日後、聖母を持ちあげる天使たちが描かれています。聖母の両隣と左端にいる明らかに身なりの違う3人は、おそらくこの絵を依頼した人だと言われています。

4 ルネサンスの終焉

1580年代の終わりから1590年代の前半にかけて、前章の巨匠たちが次々に他界します。この時期を境に、ヴェネツィア絵画は三巨匠のスタイルを受け継ぐ後継者の時代になっていきます。

この章ではルネサンス様式が終焉し、バロック様式へと移行していくことを示すいくつかの作品を展示しています。

5 ヴェネツィアの肖像画

実在の人物の姿を生き生きと記録する肖像画は、ヴェネツィア画派が非常に得意とする分野でした。ジョヴァンニ・ベッリーニやアントネッロ・ダ・メッシーナといったきわめて優れた肖像画家から端を発し、モデルの個性を活き活きと描き出すような肖像画が生み出されました。

この章ではルネサンス時代全般にわたる、質の高い典型的なヴェネツィア肖像画を見られます。

カリアーニ作、「男の肖像」です。宮廷風の堅苦しい肖像画から、自由でカジュアルなものに変化していった肖像画。真正面でなく、目線をそらし斜めから描く・その当時の流行の服装で描くなど現代で写真を撮る時のように描かれました。

ミュージアムショップに立ち寄ろう!

ショップコーナーでは図録、絵葉書はもちろんのこと、この展覧会オリジナルのグッズも多数販売しています。

図録の飾り方もなんだかアート。

受胎告知の鳩や天使をモチーフにしたTシャツ、トートバッグもあります。

フィレンツェのマスキングテープ。でこぼこしたデザインがかわいい!

他にもヴェネツィアングラスやマスク、リモンチェッロなど、ヴェネツィアにまつわるグッズがたくさんです。ミュージアムショップのみの利用もできるので、ちらりと立ち寄ってみるのもおすすめです。

絵画が好きな人にはもちろん、イタリア、ヴェネツィアが好きな人も楽しめるおすすめの展示です。暑い夏、涼しい美術館で芸術鑑賞を楽しみませんか?

展示詳細
名称:ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち
会場:新国立美術館 企画展示室2E
住所:東京都港区六本木7-22-2
開催期間:2016年7月13日(水)~10月10日(月・祝)
休館日:火曜日※ただし8月16日(火)は開館
開館時間:10:00~18:00(金曜日、8月6日(土)・13日(土)・20日(土)は20時まで、入場は閉館の30分前まで)
料金:一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/venice2016/

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